JAZZCAT-RECORD メールマガジン 2023年8月号



 

【今回はセルダン・ハウエルとチャーリー・ラウズを取り上げます。】

  < セルダン・パウエル 1928年11月15日-1997年1月25日 >

1973年日本コロンビアから粟村政昭氏の監修でROOST LABELの6枚が復刻された。
ルースト名盤ベスト6の名の下に、以下アルバムがリリースされた。

*バド・パウエルの芸術 / コンプリート・ルースト・セッション

*スタン・ゲッツ / アット・ストーリーヴィル

*ソニー・ステット / ペン・オブ・クインシー

*ジョニー・スミス / ヴァーモントの月

*セルダン・パウエルの世界

*スタン・ゲッツ / ザ・サウンド

この、ルースト盤の復刻によってようやくセルダン・パウエルが紹介された。
以降、スペインのフレッシュ・サウンドから、ルースト・レーベルの今一枚のアルバム
"THE SELDON POWELL SEXTET Featuring JIMMY CLEVELAND"がリリースされ
さらに"CBS SONY"から唯一のアルバム"WE PAID OUR DUES / CHARLIE ROUSE &
SELDON POWELLが各限定20枚のプレスの廉価盤でリリースされた。このアルバムは
ジャズ誌でも紹介されたことがないアルバムであったが、廉価盤で発売後すぐに完売に
成ってしまった経過がある。現在はCD入手可能である。



セルダン・パウエルのリーダー作は上記の様に少ない。その音楽遍歴は50年〜60年代にかけて
サイ・オリバー〜ニール・へフティ〜ジョニー・リチャーズ〜ウディー・ハーマン〜バディ・リッチ〜
クラーク・テリー〜ルイ・ベルソンなどの楽団のサックス・セッションでその素晴らしい音色とフレージングに依るアドリブで、
心あるミュージシャンやファンを魅了していた。
1968年7月11日THAD JONES-MEL LEWIS BAND来日に際し、そのサックス・セクションに
セルダン・パウエルの名が連ねていることにより、ミュージシャンやファンがコンサートに集結し、
そのプレイに大いに魅了されたと言う。


セルダン・パウエル参加のアルバムは前記オーケストラを渉猟して頂くこととして、"JAZZCAT-RECORD"としての推薦盤としてあまり注目されないが、
セルダン・パウエルとヒルトン・ジェファーソンもフィニチュアーされている名盤を紹介しておきたい。

"GOIN'TO KANSAS CITY BLUES / JIMMY WITHER SPOON WITH JAY McSHANN AND HIS BAND" ビクター音楽産業 RCA-5091 MONO 

1944年ジェイ・マクシャン楽団の専属歌手としてウォルター・ブラウンの後任としてデビューしたジミー・ウィザースプーンはシティ・ブルースシンガー。
57年の本作はジェイ・マクシャン楽団との再会セッション。レイ・コープランド、J.C.ヒギンバッサム、ヒルトン・ジェファーソン、セルダン・パウエル、
ヘイウッド・ヘンリー、ケニー・バレル、エメット・ベリー、アル・シアーズなど錚々たるメンバーを擁したジェイ・マクシャン楽団をバックに味わい深いボーカルを
聴かせる代表作の一枚。メンバー中、テナーのセルダン・パウエル〜名アルト奏者ヒルトン・ジェファーソン、共にアンダーレイテットなミュージシャンの
共演も極めて珍しく、両者共々素晴らしいプレイを聴かせている。。








< チャーリー・ラウズ 1924年4月6日 ? 1988年11月30 >

チャーリー・ラウズは、1944年のビリー・エクスタイン楽団、1945年ディジー・ガレスピー・ビッグバンド 、
1949-1950年ディジー・ガレスピー・ビッグバンド 、1950年カウント・ベイシー・オクテット 、
1955年オスカー・ペティフォード・セクステット、1959年 ? 1970年セロニアス・モンク・カルテットと、
輝かしい楽歴である。1924年ワシントンD.C.生まれ。1961年のダウンビートの期待される新人部門で37歳で1位になり、
本人は苦笑していたが、モンク・カルテットのレギュラーであるが故の影響を強く感じさせた出来事だった。







レコーディングの実績
ART TAYLOR / "TAYLOR'S WAILER" 57/2録音
ドナルド・バード〜ジャッキー・マクリーン〜レイ・ブライアント〜ウェンデル・マーシャル〜アート・テイラーに依る
プレスティジ・オール・スターズに依る快演集。

ART TAYLOR / "TAYLOR'S TENORS" 58/6録音
フランク・フォスターを迎えての2テナー・セッション。リズムセクションはウォルター・デイビス〜サム・ジョーンズ〜アート・テイラー。
2テナーの絡みが聴きどころである。

CHARLIE ROUSE / "TAKIN' CARE OF BUSINESS" 60/5録音
ブルー・ミッチェル〜ウォルター・ビショップ〜アール・メイ〜アート・テイラーに依るクインテットに依る初リーダー作。

CHARLIE ROUSE / "YEAH !" 60/12録音
モンク・カルテットに加入1年後の60/12録音の本作は、ロリンズ系の新人テナー奏者として伸び伸びとプレイしており、
同レーベルのセルダン・パウエルとの"WE PAID OUR DUES"と並ぶ代表作。


CHARLIE ROUSE - SELDON POWELL / "WE PAID OUR DUES"
チャーリー・ラウズは"WHE SUNNY GETS BLUE","QUATER MOON","I SHOULD CARE"
セルダン・パウエルは"TWO FOR ONE","FOR LESTER"ではテナー、"BOWL OF SOUL"は
フルートに依っている。


DAVE BAILEY / INTO SOMETHIN' 60/10録音
デイブ・ベイリーのスタジオ・ライブアルバムは好評により2作目のアルバム。チャーリー・ラウズ〜クラーク・テリー〜
カーティス・フラー〜ホーレス・パーラン〜ペック・モリソンに依るセクステット。
長尺ナンバーの"BLUES FOR J.P"が秀逸。見過ごされやすいアルバムであるが、
ベイリーのスタジオ・ライブのアルバムの中で、チャーリー・ラウズの参加は本作のみである。

尚、チャーリー・ラウズが10年間の在籍に依って多くのアルバムが残されたがコロンビア第一作の
"MONK'S DREAM"以下,"CRISS -CROSS","IT'S MONK'S TIME","MONK","MISTERIOSO",
"UNDERGROUND",MONK'S BLUES 69"など多くのアルバムを残した。"MONK'S DREAM"、
"CRISS -CROSS"、"IT'S MONK'S TIME"など初期のアルバムが良い。 63年5月、チャーリー・ラウズ〜
ブッチー・ウォーレン〜フランキー・ダンロップに依るレギュラー・カルテットに依る待望の来日が実現した。
CBSソニーからサンケイホールでのライブアルバムが二枚組でリリースされた。少し遅れてTBSの音源から、
テイチク /BAYBRIDGEか"EVIDENCE",
"BLUE MONK","BOLIVER BLUES","EPISTROPHY"の4曲の内容に依るライブ・アルバムが
リリースされていた。
70年代以降の録音はスェーデンのSTORYVILLEから"MOMENT'S NOTICE"〜UPTOWNから"SOCIAL CALL"、"SOUL MATES"などのアルバムがある。

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最近の新品レコードの価格は?

 
USAで流通しているレコードの新品価格を一部のせてみました。
180g盤で40ドルが多いです。

(円相場が144円ぐらい)ですから
5,760円くらいでやはり昔の倍ぐらいになってます。


 40.00ドル(5,760円)
Helen Merrill / Helen Merrill
Tommy Flanagan / Overseas
Booker Ervin / The Freedom
John Coltrane / Lush Life
Miles Davis Quintet / Relaxin' With The Miles Davis Quintet
Oliver Nelson / Screamin' the Blues
The Prestige All Stars / All Night Long
Arnett Cobb / Ballads By Cobb
Miles Davis / Bags Groove
Jackie McLean / Lights Out!
Sonny Rollins / Tenor Madness
The Prestige All Stars / All Night Long
Jimmy Forrest / Out Of The Forrest
Billie Holiday / Songs For Distingue
Arnett Cobb / Ballads By Cobb
Dave Brubeck Quartet / Time Out


 38.98ドル(5,613円)
Bill Evans Trio / Waltz For Debby(ojc)
Sonny Clark / Sonny Clark Trio

 39,98ドル(5,557円)
Miles Davis / 'Round About Midnight

  まだ新品はかなり出てますので次回以降も載せる予定です。
 
日本にはヨーロッパのインポートものがかなり入っているが
 上記のアルバムはUSA盤です。


国内盤新品でてます。

ナット・キング・コールをしのんで~ひばりジャズを歌う(2LP/180g/45RPM)    8/31 \7.000
Evenings At The Village Gate: John Coltrane with Eric Dolphy(2LP)    7/14 \5.720
Cat Walk(LP/180g)DONALD BYRD ドナルド・バード    \4.950 7/4
Our Man In Jazz (LP)SONNY ROLLINS \3.300 6/23再発
NICKI PARROTT ニッキ・パロット ブラック・コーヒー(LP/180g)     6/21 \4.950
Bill Evans Album / ビル・エヴァンス・アルバム     2022/5/25 \4.400
Bobby Jaspar Quintet (LP)    \4.180


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60年代以降活躍しているボーカリストを紹介します。
 たくさんのボーカリストがでています。この時代公式サイト、hacebookなどで
   自身発信をしている人が多く時代はかわりました。


   Sophie Milman ソフィー・ミルマン

カナダ在住のジャズヴォーカリスト1983年生まれで2007年リリースアルバム
「Make Someone Happy」でビルボードと iTunes チャートで 1 位を獲得した4枚のアルバムを持ち、
JUNO賞を受賞し、グラミー賞にもノミネートされ、国際的に高く評価されているジャズ アーティストである。


  発売CD



 ・2006 Sophie Milamn
・2007 Make Someone Happy
・2009 Take Love Easy
・2011 In The Moonlight
・2013 Live At The Winter Garden Theatre


・公式サイト  sophiemilman.com/#intro


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