2025年10月号



 


*粟村 政昭氏の著書「ジャズ・レコード・ブック」を読む。 連載

生前、ジャズ評論家の油井正一氏が、粟村政昭氏の「ジャズ・レコード・ブック」を世界最高の"ジャズ・レコードのガイド・ブック"として絶賛していた。ジャズ全般に渡るレコード・ガイド・ブックは例がない。1968年2月25日 第1刷発行、数年を経て2版〜3版と増補版が発売された。近年、多くのジャズ・ファンから再版の要請があり、一部の評論家やファンが尽力したが、再販は出来なかった状況があった。粟村氏が筆を起こしたのが1965年、58年の時を経て多くのファンの渇を癒すべく、ネットに依る復刻を思い至った。多くのジャズ・ファンや新たなジャズ・ファンの方々に、熟読玩味して頂けたらと思う。この著書は、雑誌「スイング・ジャーナル」1965年2月〜1967年8月まで連載された"ベスト・プレイャーズ / ベスト・レコード"に端を発し新たな人選の下、全面大改訂をほどこした書籍である。

今回「ジャズ・レコード・ブック」の前身の企画である、雑誌「スイング・ジャーナル」に、1965年2月〜1967年8月まで連載された、"ベスト・プレイャーズ / ベスト・レコード"に掲載された153名のアルバム紹介をまず読んで頂き、「ジャズ・レコード・ブック」に取り掛かることにしたいと思う。


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「 ベスト・プレイャーズ / ベスト・レコード 」

                        粟 村 政 昭

"ベスト・プレイャーズ / ベスト・レコード"は、雑誌「スイング・ジャーナル」1965年2月〜1967年8月まで連載された。最初の一年は編集部の人選であったが、1966年3月から粟村氏の人選に依る153名のレコード・ガイドである。

「某々のレコードは何を買うべきか」といった類の文章には年中お目にかかる様な気がするが、実際にレコードを購入するに当たって頼りになる内容のものは意外と少ない。その理由の第一は、撰択が甘くて最高点クラスのレコードと称するものがやたらと沢山並べられている場合が多いからだ。近頃の我国レコード市場は可成り乱戦気味だから、上手く立ち廻れば外国盤国内盤共に相当安い値段で購入することは出来る。しかし、千円、2千円の支出は我々の生活水準からみて、余程の金持ちでもない限り痛い事には変わりがない。そんな時に、これも良、あれも結構という大様な推薦のされ方をすると、全く腹が立つ。それに執筆者の中には妙にイキがって、ゲテ物レコードや道楽的な吹き込みを挙げる人もいるが、実際に身銭を切ってレコードを買うコレクターにとってこういう人々は明らかに敵である。そんな訳で、この稿を書くに当たってぼくは、推薦レコードは真に良いもの乃至は話題になったもののみにとどめ、出来るだけ少ない数のレコードを選出しておくことに決めた。勿論この他にも傑作佳作といわれるLPは沢山あるから、ファンの方はこの稿を一つの参考として、後は自分の好みに応じてコレクションの幅を拡げていかれるといいと思う。



第11回

<ポール・ディスモンド>
ブルーベックの良き相棒としてのディスモンドの真価については既に等しくジャズ・の認める所だがもしディスモンドの存在なかりせばブルーベック・コンボの成功も恐らく有り得なかったであろう。ブルーベックと組んだ演奏に関しては、ぼく個人としては後年の力強さの加わった演奏よりも、デビュー当時の正に「プリティ」と言うより形容の仕様がない様なユニークな彼のトーンの方をより愛している。ブルーベック以外の人と付きあったものでは、マリガンとの「BLUES IN TIME」(Verve 8478)が傑作で、ピアノレスの不利を克服してマリガンと五分に渡り合った快演を聴かせる。彼がリーダーシップをとった「テイク・テン」(RCA)は大名作といった類のものではないが、ジム・ホールとの協調振りが誠に見事な佳作である。「ボサ・アンティグア」、「テイク・テン」での相棒ジム・ホールと組んでおり、これも一聴に値する佳作と言えよう。



<マル・ウォルドロン>
灰色のピアニスト、マル・ウォルドロンは、噂が作り出した自質なき名盤「レフト・アローン」によって、わが国のファンに名を知られているが、ジャズ・マンとしての彼の真価は決してこんなものではない。チャーリー・ミンガスのグループに加入していたころの彼の演奏は「CHAZZ」(Fan 6002)あたりによって伺い知ることが出来るが、暗く思索に富んだ彼の楽想が最も所を得た形で結実していたのはPRESTIGEレコードが録音した一連のいわゆるMal Seriesにおいてであろう。このうち今日入手可能なのは「JAZZ INTERPLAY」(Prestige 7341)の中の一枚として再発された「Mal 2」だけであるが、ジジ・グライスの加わった「Mal 1」やトリオによる「Mal 4」など、いずれも一聴に値する問題作揃いであった。エリック・ドルフィーの傑作として有名な「ファイブ・スポットのドルフィー」にもウォルドロンの特徴あるピアノ・ソロを聴くことが出来るが、どちらかと言えば昔日のファイアはやや影をひそめてしまった感がある。近作のうちでは「クエスト」(Prestige)が傑作の呼び声が高く、ドルフィーの見事なクラリネット・ソロが」聴けるだけでも貴重である。



<ジョージ・ウォリントン>
ジョージ・ウォリントンはバッド・パウエルの系列に属す優れた白人ピアニストで、バップ初期に大いにその才能を買われていたほか、「LEMON DROP」や「GODCHILD」といった名曲の作者としても知れれているが、「レフト・アローン」の場合ほどではないにせよ、その内容は名声とはほど遠い普通のハード・バップの演奏で「JAZZ AT HOCHKISS」(SAVOY 121229),「JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE」と同系列に入る傑作である。どうも希少価値が昂じて簡単に名盤が誕生してしまう風潮には苦笑を禁じ得ない。現在入手可能なウォリントンのLPとしては、今聞くと退屈かもしれないが「TRIO & SEPTET」(SAVOY 12081)が、顔ぶれから言って貴重である。ほかにヴァーグ」にあるトリオものが中々良さそうで、これは是非テイチクから出して貰いたいもの、ヴァーブにあったストリングスとの共演盤は、人によって可成り評価に差があってようである。



<ダイナ・ワシントン>
ダイナ・ワシントンは「ブルース女王」の敬称とともに、一応大歌手の列に加えられている人だが、不思議とわが国での人気はパッとしない。ほかにジョー・ウィリアムスなども、もっと認められて良いと思うのだが、こうしたアクの強いシャウト・スタイルのヴォーカルというのはわが国のファンにとっては刺激が強すぎるのだろうか。ニーナ・シモンだけが横行するというのは情けない話である。ダイナの遺作の中にはストリングスの伴奏でポップ・チューンを歌ったものも可成りあるし、僕も別にブルース畑の専門家という訳でもないので、あまり大きな口を叩きたくないが、初期の名唱を集めた「BEST IN BLUES」や、クリフォード・ブラウンの加わった「DINAH JAMS」(Mer 36000),それに比較的新しい「Back to Blues」(Rou 25189) あたりは傑作の名を冠してもおかしくない名唱と考える。


次回につづく (参考文献 東亜音楽社)

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<<< パワーアンプを譲り受けた >>>
   

 友人からマランツ250のパワーアンプを手放す人がいるので使ってみるか打診されました。今使用しているアンプはラックスのプリメインSQ301で今の時点で変えようとは思っていなかったので即答はしませんでした。プリメインアンプよりもプリとメインが別々のアンプの方が、やはりクオリティーは高いのか?価格もコントロールアンプとパワーアンプを購入するとなるとかなりの額になるとも考えました。スピーカーもALTECヴァレンシアに変えたしパワーのあるアンプで聴いてみたい気もしていました。ただ考えもしていなかったので、マランツの音がどんなものかもわかりませんし、ジャズの再生にはマッキントッシュという評判があるし、いろいろひっかるものがありました。一応コントロールアンプの情報も調べてみましたが、同じメーカーのマランツには3300ありましたが、デザインは真空管アンプの#7に似せたアンプでした。このころは真空管アンプからトランジスターアンプが主流になり、プリメインアンプがほとんどで、高級アンプでプリとメインアンプがそれぞれ出始めた時期でもあり、日本にもケンウッドからアキュフェーズのアンプ専門のメーカーも誕生しいる時期でした。そんな中、国内のメーカーからもコントロール、メインアンプも多く発売され始めました。ヤマハ、デンオン、テクニクス、ラックスや海外からはマランツ、マッキントッシュ、クワードなどがありました。購入するという前提だと、なかなかコントロールアンプは価格を考えたので候補になるアンプがありませんでした。そんな中、半年以上がたってしまいました。レコードを友人と秋葉原に見に行ったときに、山際電機のオーディオフォロアーにAGIというメーカーのアンプのカタログがありました。カタログは1枚のもので、アンプの写真と仕様が記載されていて、USAのアンプでハイスピ―ドアンプ、電源は125V、パワートランジスターがモトローラ製を使用、トーンコントロールはなく入力切替ボタンが、全面に配置されたシンプルなアンプでした。実物がなく音などは試聴できなかったですが、価格とシンプルなデザインが非常に気に入りました。マランツ250も試聴していませんがコントロールアンプが決まれば、譲り受けようと考えていました。友人からの話が、きっかけになりハイパワーなアンプにしたいという、気持ちに傾いていたので、コントロールアンプが決まったのでマランツ250を購入すると、友人に連絡したところ、まだ250はあるとの事で譲り受けることになりました。今までもシステムを揃えるとき、意外と評判とかが決めてになることが多く、試聴してこれだと思って購入したのはALTECのヴァレンシアだけでした。その後、マランツとAGIが揃ったので早速試聴してみました。AGIは電源がON,OFF関係なく、電源コードをつなげば回路に電源が常に流れていて、回路の安定をはかっているようで、AGIとマランツ繋いだ音は高域は明るく明快で、中域と低域はそんなに重くはなく、しっかりと前に出てくる音でした。さすがにパワーがあるので余裕のある音がしていました。ラックスのSQ301の音と聴き比べて、はじめてラックスの音は、高域のレンジが延びていないような気がしてあまりクリアーな感じがしませんでした。聴き比べできない時は、まったくそのような感じは無かったのですがはじめてわかりました。今回、同時にスタックスのコンデンサー型のヘッドホーンも購入しました。当時スタックスのコンデンサースピーカーは、室内楽を聴くには最適だという評判でヘッドホーンも高い評価を受けていました。何年か経って250のパワードランジスターがとんだ時に、ヘッドホーンのアダプターから煙が出て壊れてしまい、マランツ250を修理することになってしまいました。不幸中の幸いにもヴァレンシアでなくてホットしたのを覚えております。

 
                                                           
 ** 次回はレコードプレーヤーの買い替えです
     

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60年代以降活躍しているボーカリストを紹介します。

 たくさんのボーカリストがでています。この時代公式サイト、facebookなどで
 自身発信をしている人が多く時代はかわりました。
 
BARBRA LICA バーブラ・リカ
1999年カナダで生れる、6歳の時にジャズに出会いドリス・デイやエラフィッツ・ジェラルド、ベギー・リーなどから影響を受け、2012年デビューCD「That's What I Do」をリーリスしる。2013年にはサラ・ヴォーン国際コンペティションで2位になりその後はトロントを中心に活躍している。CDも8枚リリースしている。

    

    


 2025年10月のアメリカ市場のレコード価格です。人気盤の一部を載せてみました。
   日本国内でも再発新品が大量に発売されていますが価格が7,000円8,000円は適正価格になっています。
 アメリカでも40ドルが適正になっています。US盤を仕入れて販売するとこの値段になると思われます。

    
   $ 40.00                          $ 41.98                                        $ 40.00                                       $ 40.00
  
       $ 39.98                                      $39.98                                    $38.98                                     $ 40.00
 
      $ 40.00                                       $ 40.00                            $ 71.98                                         $ 40.00
   

        $ 40.00                                           $ 40.00                                         $ 40.00                                            $ 40.00
 
        $ 41.98                                           $ 40.00                                            $ 40.00