第26回メールマガジン

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 2018年4月27日 JAZZCAT-RECORD メールマガジン 第26回

【今月の一冊】

 THE DAYS OF DAY BY DAY 1983 - 2003 2003/9/13 上梓

 すすき野のライブハウス"DAY BY DAY"は内外のジャズメンが北海道でライブ・ツアーの折には必ず訪れるライブ・スポットである。オーナーの黒岩静江独自のスタンスでのジャズ・ボーカルは内外のミュージシャンやファンから支持されている。"DAY BY DAY"20周年を機に何か残るものという事で、どこからでも読めるユニークな伝記本が本書である。
  制作スタッフは、寺島賢幸、三枝史子、安達尚美の三氏。特筆すべきはヴィブラフォン奏者の故松石和宏氏の存在で開店当初から地元若手のミュージッシャンを育てると同時にミュージカル・デレクター的な存在でもあった。"DAY BY DAY"1988年のアナログによる初アルバム"MAKE ALL MY DREAMS COME TRUE"は松石和宏と佐山雅弘に地元若手のミュージシャンによる限定1000部のコレクターズ・アイティム。以降94年のジュニア・マンス・トリオとの"DAY BY DAY"でのレコーディング・セッション、97年にはジョン・ヒックス・トリオにアルトのボビー・ワトソンを擁したカルテットで全国ツアーの実現及びレコーディングも敢行する。
  その後も全国レベルでのライブを継続させていて、私も2013年だったか待望の横浜でのライブが"JAZZ IS"で行われ楽しいひと時を過ごしたことがあった。本書はジャズを軸に様々な出会いが更なる関係性を育み、"DAY BY DAY"に係わりのあるミュージシャン達の記事が興味深々で読みごたえがある。来店ミュージシャンの名簿の頁、一部だろうが多士済々これを見ただけで多くの人々に愛され続けているライブ・スポットだと納得できると思う。今回を機にもう一度初アルバム"MAKE ALL MY DREAMS COME TRUE"を聴いてみたい気持ちに駆られた。

【あの頃のジャズが聴きたい】

 THE SOUND/STAN GETZ ROOST SL-5050-RO/(Rec.1950~1951))

  73年だったか日本コロンビアが粟村政昭氏とSJ誌の児山編集長とルースト・レーベルの若き日のスタン・ゲッツ集大成の企画が進行、しかしアメリカ本社からマスターテープの所在不明との返答によって、企画は変更を余儀なくされ、ルースト録音29曲から15曲にスエーデン録音6曲を加えた21曲収録による異例のアルバムになった。
  その後の再発ではスエーデン録音も含めた12曲の内容になっている。73年初版のものだけの特典盤で、瑞々しいゲッツのテナーがこれ一枚で十分堪能できると同時に、ジャケットの魅力と粟村氏の何時もの様に当を得た解説も良い。

【今月の日本人演奏家】
 
   石井 彰
  1963年生まれ。大阪音大作曲家を卒業、大阪のジャズシーンで5~6年活動し91年上京、日野皓正、小林佳、川嶋哲郎、多田誠司、古野光昭などのレギュラーを歴任、現在日本の代表的なピアニストにのして来た。ベーシスト伊藤潮は大阪時代から石井のピアニストとしての才能を認め97年のラモーナのボーカル・アルバム(Midnight Sun Only For You / RAMONA T.S.C.C)や2000年自身の初リーダー・アルバム(GREEN SLEEVES jazz therapeutic / USHIO ITO TRIO AND DUO WOODY CREEK)だけでなく、ライブシーンでも共演していた。
  池袋メトロポリタン・ホテルのスカイ・ラウンジ”アポロ”でのライブは石井のピアノとベースのデュオにボーカルが加わる内容。いつだったか石井彰に増根哲也のベース、ボーカルに谷由紀子のセッションが楽しかった記憶がある。谷由紀子は石井が上京直後から彼のピアノが気に入り自身のライブ時に起用セッションを重ねていた時期があった。以降、様々な経過を経て日野皓正のレギュラー・ピアニストとして活躍。
  近年はジャズ・ピアノの教則本も出版、新たな自身のグループとして、ピアノ~チェロ~ベースによるCHAMBER MUSIC TRIOを結成、日本ジャズ・ピアニストのトップ・ランナーとして旺盛な活動と大きな期待を抱かせる存在になってきた。都内近郊のライブ・スポットに出演頻度も高く、4月10日から日野皓正クインテットで北海道/旭川を皮切りに東北/南陽までのライブ・ツアーが始動している。
  掲載アルバムは鮮烈なファースト・アルバム"VOICES IN THE NIGHT"(EWE 2001)共演の俵山昌之~江藤良人のプレイも秀逸。1997年上京後頭角を現し始めた好機の録音として前記、VO)ラモーナ~P)石井彰~B)伊藤潮のMIDNIGHT SUN ONLY FOR YOU(東京サウンドシティ)を上げておきたい。石井彰の力強いバッキングが心地良い。
 
【TRIBUTE TO SOMEONE】
 
  セシル・テーラー (1933/3/15-2018/4/7)

  セシルで真っ先に記憶がよみがえってくるのが73年初来日、新宿厚生年金会館でのコンサートである。2F右手最前列ピアノを見下ろす席であった。司会の悠雅彦氏がはなれ際「釘付けにされますょ」との言の通り約90分セシル~ライオンズ~シリルのトリオに圧倒された。
   そんな体験からか”カフェ・モンマルトル”のライブ・アルバムには親近感が沸く、ARISTA-FREEDOMのセカンド・ヴァージョン2曲プラスされた二枚組CECIL TAYLOR / NEFERTITI,THE BEAUTIFUL ONE HAS COMEを時折ターンテーブルに乗せたくなってくる。又メリー・ルー・ウイリアムスの呼びかけで実現したデュオ・アルバム"EMBRACED"二人の共通項である伝統から飛翔する二人のプレイが圧巻であった。最もハードな録音としてはJAZZ COMPOSER'S ORCHESTRAのコミニュケーション#11だろう。

  オードリ―・モリス(1928/11/12-2018/4/3

  バラード・シンガーとして55年のファーストアルバム「ビストロ・バラード」は好評を博し、翌56年ベツレヘム・レーベルからマーティ・ペイチのアレンジとオーケストラで二作目「ザ・ボイス・オブ・オードリー・モリス」を発表するが、その後暫くはシーンから離れ80年代にカンバック、自主製作AFTERTHOUGHTSは秀逸なバラード集。元々バラードを得意とするオードリ―だが、長いブランクを感じさせないその歌唱は深い情感を湛えた説得力に富んだものである。

  ブェル・ネイドリンガー (1936/3/2-2018/3/20)

  セシル・テイラー初期のアルバムであるトラディション~キャンディドで共演、ジミー・ジェフリーのトリオでも活動していた。 確かヴァーブ・レーベルにライブ・アルバムがあった。当時進歩的なベーシストとしてジャズ・シーンの最先端で活躍。後年キャンディド・レーベルのリーダー作がBARNABYレーベルから発表になった。国内では、70年代初めCBSSONYがキャンディド・レーベルをリリースした時、特典版としてブェル・ネイドリンガー未発表の録音をセシル・テイラー・オール・スターズのタイトルで出たことがあった。

  ジミー・ワイズナー (1931/12/8-2018/3/18)
  ジミー・ワイズナーのリーダーアルバムはCHANCELLOR,FELSTEDの二枚と「メル・トーメ・アット・ザ・レッドヒル」で歌伴ライブ・アルバムしか思い浮かばない。元々R&Bのピアニストだったことも影響しているかも知れない。"BLUES FOR HARVEY" FELSTED 重厚なベースに導かれながら歯切れ良いジミーのピアノが躍動する。CHANCELLOR盤も復刻されておりマークして置きたいアルバム。

  ビック・ダモン(1928/6/12-2018/2/11)

  日本ではメール・ボーカルの人気のなさを反映して知名度は低いが美声を反映してキャピトル~コロンビア~RCAと多くのアルバムがある56年のミリオン・ヒット「君住む街角」、ピート・キングのアレンジとオケでのキャピトル盤と、恐らく最もスウイギーなコロンビア盤 "ON THE SWINGIN'SIDE"をターンテーブルに乗せてみたい。

 

 デイブ・ホランド(1946/10/1-2018/1/16)
  1968年マイルスに気に入られグループに参加、以降サークルからECMレーベルを中心に活動、3枚のアルバムを通して偲んでみたい。
  1.SONG OF SINGING SOLID STATE 1970 コリア~ホランド~アルトシュルによる後の”サークル”に発展すテンションの高いピアノトリオ。取り分けNEFERTITTIの4ビートに展開するホランドのベースワークが魅力的である。
  2.GATEWAY ECM 1975
 新しいタイプのモダン・ギターリスト。ホランド~ジャック・デジョネットの最良なメンバーに依るフリーなアプローチから4ビート~ロック・ビートとホランドのオリジナルが重厚なベースワークと高度なインタープレイへと展開する充実作。
  3.ミルチョ・レヴィエフ+デイブ・ホランド / オラクル~ライヴ・アット・サントリー・ホール1986 廃盤で入手困難であるが復活してほしいアルバムである。

【JAZZ CLASSICS】

 A PORTRAIT OF KID THOMAS VALENTINE
           (TEICHIKU/STORYVILLE 1972/12/27)

  DINAH / KID THOMAS AND LOUIS NELSON
          (TEICHIKU/STORYVILLE 1973/1/21~24)

   1972年後半キッド・トーマス(76才)とルイ・ネルソン(72才)の二人がデンマークを訪れた際に地元のミュージシャン3人とイギリスから2名を加えたTP~TB~TS~P~BJ~B~Dのセプテットによるセッションが実現。
   キッド、ルイの年齢を感じさせないプレイとデンマークとイギリスのミュージシャンのツボを得たソロとバッキングは日々研鑽の賜物だろう、古老のふたりと融合した好セッションとなっている。取り分けデンマーク出身のテナー奏者ソーレン・ソーレセンのメロディアスなアドリブはセッションを大いに盛り上げており、バンジョーのニールス・リカード・ハンセンのリズムもベテランとしての堅実なプレイも魅力である。
  収録曲の一部を紹介しておくと、ALGIERS STRUT, AFTER THE BALL,JUNE NIGHT,TIGER TAG,MACK THYE KNIFE,DINAH,BASIN STREET BLUES,SWEET GEORGIA BROWN,BABY FACE,CHINA BOY,INDIANA他全16曲。尚、この時のセッションの続編が"A PORTRAIT OF LOUIS NELSON" としてTEICHIKU/STORYVILLEより発表されている。

【JAZZ ジャケット・ギャラリー】
 
  CAPITOL JAZZ CLASSICSはオランダ盤をオリジナルにUS盤も同ジャケットで出ていた。全15巻イラストレイターJAN FIJNHEERによるジャジーなジャズメンのイラストで統一され、内容的にはアーリー・モダン前後の貴重な録音で全巻揃えておきたい気持ちに駆られる。
  今回はVOL.7,9,13の3枚を取り上げてみたいと思う。

  *VOL.7 SERGE CHALOFF / BLUE SERGE
 ウディ・ハーマン楽団のフォー・ブラザーズ・サウンドの一翼を担ったチャロフのバップ・イディオムを自己のものとしてのバリトン・サックスのワンホーン・アルバム。共演のソニー・クラーク~ルロイ・ヴィネガー~フィリー・ジョー・ジョーンズのリズムセクションも大いに魅力。オリジナル・ジャケットが仕立て中のスーツと美女との静的なものに比して動的なものになっている。

 *VOL.9 WOODY HERMAN / EARLY AUTUMN
   表題曲を含む1948~50年のセカンド・ハードによる名演13曲収録。国内盤はWOODY HERMAN/SECOND HERDのタイトルでキャピトル時代のセカンド・ハードの全15曲を収めていた。ハーマンの大きなイラストは当時ジャズの覇権を握っていた雰囲気が伝わってくる。

  *VOL.13 STRICTLY BEBOP / DAMERON~GONZALES~GILESPIE
  A面の1~6タッド・ダメロン・テンテットによる録音はナバロ~マイルス~ゴードンらを擁したマイルスの九重奏団に匹敵するアーリー・モダンの傑作。続くバブス・ゴンザレス&ヒズ・オーケストラはロリンズ、J.J、ペッパー、ケリーらを擁しソロも聴ける珍しい録音5曲。
  B面にはディージー・ガレスピー楽団の1949年二種類の円熟期にあたる録音5曲の内容。国内盤は監修の粟村氏の判断でガレスピーの代わりにクロード・ウイリアムソンをフィニチュアーしたチャーリー・バーネット楽団4曲、ワーデル・グレイのプレイが聴かれるルイ・ベルソンのジャスト・ジャズ・コンサート2曲を収録。タッド・ダメロン~バブス・ゴンザレスのダブリを覚悟しなければならないが、国内盤及び外盤双方押さえること肝要。ジャケットはモスグリーンを背景にディージーの雄姿が描かれている

【あの頃のバンド・シンガー】
 
 ケイ・スター(1922/7/21-21016/11/3))

   1937年15歳でヴァイオリンのジョー・ヴェヌーティ楽団、39年にはボブ・クロスビー楽団とグレン・ミラー楽団~ウインギー・マノン楽団で腕を磨いた後、チャーリー・バーネットの楽団で唄う。以降キャピトルやRCAに多くのアルバムを発表。
  ポピュラー分野でも50年代には多くのヒット作を放っており、カントリーのアルバムまである。エラ・フィッジェラルドは、いつも好きな歌手としてケイ・スターを上げていたとか,1980年にはローズマリー・クルーニー~ヘレン・オコンネル~マーサ・レイ~ケイ・スターの"THE NEW 4 GIRLS"に参加各地で華やかなステージを繰り広げていたという。
  掲載アルバムは、カウント・ベイシーとの共演"HOW ABOUT THIS / KAY STARR & COUNT BASIE" PARAMOUNT ( REC.1968 )Arr DICK HYMANとキャピル時代ではヴァン・アレキサンダーとの" MOVIN'!"が良い。
        



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